骨挫傷と骨粗鬆症の違いは?

骨粗鬆症とは

骨密度は、個人差はあるものの、20歳前後が最も多くなり、加齢とともに少なくなる傾向があります。骨粗鬆症とは、骨密度が少なくなり、もろくて骨折しやすい状態です。痛みを生じることはありませんが、尻もちや転んだことをきっかけにして、手首や背中、腰、股関節などを骨折することがあります。また、圧迫骨折を生じると、身長が縮んだり、背中が丸くなったり、背中や腰付近に痛みを生じやすくなるといわれています。ひどい状態であれば、寝たきりになる可能性がありますので、普段から骨折しないように気をつけましょう。

骨粗鬆症で骨折しやすい部位

骨粗鬆症になると骨折しやすくなります。特に骨折しやすい(骨が折れやすい・骨粗鬆症の初期症状として現れやすい骨折)は、背骨(脊椎)や太ももの付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨遠位部)、腕の付け根(上腕骨近位部)になります。

骨粗鬆症と骨挫傷について

「骨挫傷」と「骨粗鬆症」は異なる骨の病気です。骨挫傷は、骨が強い衝撃を受けた際に、骨折には至らないものの内部で微細な損傷が生じる状態で、痛みや腫れがあり、一般的に外傷やスポーツによって引き起こされます。一方、骨粗鬆症は、骨密度が減少し骨がもろくなる病気で、特に高齢者や閉経後の女性に多く見られます。この結果、骨折しやすくなります。両者は直接的な関連性は少ないものの、骨粗鬆症の患者は骨が弱いため、わずかな衝撃でも骨挫傷や骨折を引き起こしやすくなることがあります。

骨粗鬆症になりやすい方

男性より女性のほうが発症しやすい傾向にあります。特に、女性ホルモンが少なくなる閉経後は、発症リスクが上昇しやすいとされています。また、糖尿病や関節リウマチなどにより使用した注射薬や内服薬でステロイドが原因となることもあります。

骨密度が少なくなる理由

新しい骨をつくる骨芽細胞と、古い骨を破壊する破骨細胞が骨の表面に存在しています。骨芽細胞と破骨細胞がコントロールされていることで、新陳代謝が行われます。しかし、加齢や閉経をきっかけにして、コントロールができなくなってしまうことがあり、骨芽細胞よりも破骨細胞の働きが強くなると、骨密度が少なくなります。

骨粗鬆症の診断方法・検査方法

骨折の検査方法

背骨が圧迫骨折している場合は、痛みを生じないこともあります。レントゲン検査を行うことにより、骨折をしているかを判断できます。

骨密度の測定

超音波やレントゲンを照射して、骨密度を調べていきます。下記では、骨密度の測定方法についてご説明させていただきます。若年者の骨密度の平均値=YAMの何%あるかで、骨密度が表されています。

DXA法 2種類のレントゲンを照射することで、背骨や股関節の骨密度を調べられます。骨密度の測定方法の中では、最も有効といわれています。
MD法 手のレントゲン画像を撮影することで、骨密度を調べられます。
QUS法 検診で用いられることが多い方法です。超音波をかかとの骨に当てることで、骨密度を調べられます。

骨代謝マーカーの測定

骨代謝マーカーとは、骨の新陳代謝を確認するためのものさしといわれています。薬の効果を判定するときにも役立ちます。骨代謝マーカーには、骨がつくられている量が分かる骨形成マーカーと、骨の破壊度合いが分かる骨吸収マーカーがあります。血液検査や尿検査により、破骨細胞や骨芽細胞の状態を確認することができます。

骨粗鬆症の治療方法(治し方)

薬物療法や食事療法、運動療法を行うことで、骨密度が改善される傾向があります。

食事療法 ビタミンDやビタミンK、カルシウムがたくさん含まれた食べ物、タンパク質を摂取されることを推奨しています。
運動療法 無理のない範囲で運動されることを推奨しています。
薬物療法 注射薬や内服薬など様々な種類があります。骨折のリスクや骨密度の数値に合わせて、適切な薬を処方させていただきます。